ごあいさつ

一般社団法人 飯塚医師会 会長

西 園 久 德

令和5年度 事業計画

 令和5年が始まり、梅の盛りも過ぎ、桜の花の満開を迎える時期となりましたが、令和元年11月
に中国武漢市で発生した新型コロナウイルス(COVID-19)も変異を重ね、4年目に至りました。福岡県の第8波新型コロナウイルス感染者数は、2月末から3月初めには1日500人を切る事もあり、やや安心感さえも感じております。会員の先生方にご協力を頂いた飯塚医師会地域外来・検査センターのPCR検査も令和5年3月末で閉鎖いたします。この約3年間ご出務頂いた会員の先生方には、心より御礼申し上げます。
 さて、本年度の事業計画の重点は、新型コロナウイルス感染症の今後の動向とその対策が挙げられます。次に、1年後に迫った2024年4月から始まる、医師の働き方改革による、この地域の診療時間外の診療体制、特に夜間の1次救急対応です。その他は、前年度と同様、在宅医療・介護連携推進事業、地域医療構想調整会議等が挙げられます。
 新型コロナウイルス感染症対策におけるマスク着用の見直しは、令和5年3月13日より、行政が一律にルールとして着用を求めるのではなく、個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断に委ねることが基本とされています。但し、着用が効果的な場面として、医療機関受診時、高齢者等重症化リスクが高い者が多く入院・生活する医療機関や高齢者施設等への訪問時、又、この様な医療機関や高齢者施設等の従業員については、勤務中のマスクの着用を推奨するとされ、通勤ラッシュ時等混雑した電車やバスに乗車する時にも推奨され、症状がある者、検査陽性の者、同居家族に陽性者がいる者はマスクを着用する事とされています。このマスク使用のあり方を期にして、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が起こると心配される方もあり注視する必要があります。
 令和5年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが、季節性インフルエンザと同等の「5類」へと移行します。5類に移行すれば、全てが解決するとコメントする専門家も居られますが、この移行は、多くの問題を生じると考えております。例えば、少なからず重症化される方は出現し、今まで保健所や県行政に行って頂いた入院調整は、どこが担うのでしょうか。外来での検査や治療は自己負担が生じてきます(高額薬は当面9月末まで無料)。入院はこれまで新型コロナ病床を確保していた医療機関には、政府から補助金が給付されていましたが、これがなくなれば経営的にも苦しく、積極的に新型コロナ感染の患者の受け入れが困難になる所もあると思われます。色々と思わぬ事が起こりそうで、今後、方針が示されるとは思いますが、注視が必要です。
 働き方改革についてですが、夜間の1次救急(Walk-In)の内科、小外科については、昨年11月の救急医療・災害時対策委員会で、飯塚病院から、2024年4月1日より、平日準夜(16:30~22:30)、休日日勤帯+準夜(8:30~22:30)の診療継続のご返事を受けております(曜日に関係なく深夜時間帯の外来閉鎖)。又、懸案のこの地区の0歳児からの診療時間外の小児診療体制ですが、場所は飯塚市立病院にお願いし、時間も準夜帯として計画を進めておりますが、地元小児科医会で週の内2日間、その他5日間は大学医局の医師などの応援が必要となると思われます。大学医師にも働き方改革は適用され、例え医師が揃ったとしても、新施設のコメディカルのスキルアップなども含めて難題が多く存在しています。現在、行政と解決に向け相談中です。
 福岡県内でも、非常に進んでいると評価を受けている地域包括ケアシステム構築ですが、新型コロナウイルス感染症の動向を見ながら、対面かWebを選び、現在の活動を継続維持したいと考えております。
 地域医療構想調整会議は、令和4年に飯塚市立病院公的医療機関等2025プランが承認され、加えて飯塚市立病院は地域医療支援病院に申請され、福岡県医療審議会での協議を待たれてある状況にあります。又、予定では、令和5年夏ごろに外来機能報告として、都道府県による紹介受診重点医療機関の公表となっております。
 その他の話題として、「かかりつけ医」機能が発揮される制度整備の法制化の問題があります。厚労省案の内容では、「かかりつけ医機能報告制度」として医療機関は、プライマリーケア、夜間・休日の対応、在宅医療など5つの機能を都道府県に報告、その内容を患者・国民に情報提供して、かかりつけ医を決めて頂く訳ですが、現時点では休日・夜間の対応などの無理な報告もあります。今国会で法案の審議が行われ、報告内容の詳細は法案成立後の検討になるとありますが、どの様な結末になるか、注目すべきところです。
 最後に、飯塚医師会の事業3部門についてですが、会職員の皆様には新型コロナウイルス感染症に「うつらない」「うつさない」を心掛けて、ご自身の健康を維持して頂き、業務の遂行をお願いするところです。看護高等専修学校は、令和5年度入学生の定員割れを遺憾に思い、令和6年度の入学試験では、何らかの対策を講じていきたいと考えております。検診検査センターは、少しでも赤字の軽減のため部長を筆頭に、経営改善、業務能力の向上、経費削減、行政との交渉などに取り組んでおります。医師会の先生方や病院群の先生方には、これからの、厳しい医療界の情勢ではありますが、今後とも、ご指導、ご鞭撻、ご協力の程よろしくお願い致します。

重点項目

  1. 新型コロナウイルス感染症の法的位置づけに応じた医療提供体制の整備
  2. 地域医療の連携及び対策(地域包括ケアシステムの構築・深化および地域事情に沿った地域医療構想の調整)
  3. 救急医療対策の推進
    夜間の1次救急医療体制の整備、休日在宅当番医制・病院群輪番制・大災害時支援態勢

  4. 生活習慣病対策、認知症・精神保健対策
  5. 福岡県医療情報システム(とびうめネット)の拡充
  6. 組織力強化への取り組み
  7. 医道倫理の昂揚(自浄作用活性化の推進)
  8. 各種検診、人間ドック、がん検診、特定健診・特定保健指導事業の推進
  9. 広報活動、市民公開講座の充実
  10. 医療法及び医師法改正に関する対応

業務内容(平常)

  1. 会 務
    (1)諸規定の検討
    (2)事務の合理化・会計の透明化
    (3)職員対策
    (4)ブロック医師会との連携強化
    (5)医政の強力な展開
    (6)行政、関係官庁との緊密な連携
  2. 会 員
    (1)医道倫理の昂揚
    (2)生涯研修の充実
    (3)保険対策並びに保険審査に対する対応
    (4)福祉対策の充実
    (5)会員保険の促進
    (6)税務対策
    (7)医報・広報活動の充実
    (8)麻薬・覚醒剤対策
    (9)医事調停
    (10)医療情報開示
    (11)従業員対策
  3. 地 域 医 療
    (1)プライマリケアの充実・福岡県医師会「新かかりつけ医」体制の推進
    (2)病診連携の推進
    (3)救急医療対策(大規模災害時対策を含む)
    (4)健康教育の活発化
    (5)感染症(新型コロナウイルス、新型インフルエンザ、麻しん、風しん、MRSA、C型肝炎、B型肝炎)対策
    (6)乳幼児保健対策、予防接種の定期接種化実現に向けた活動(おたふくかぜ)
    (7)学校医活動
    (8)産業医活動
    (9)介護保険活動
    (10)住民検診・集団検診・人間ドック検診・事業所検診・団体検診の促進
    (11)医療・保健・福祉情報システムの整備・充実
    (12)認知症初期集中支援チーム活動(複数の専門職が認知症が疑われる人や認知症の人を訪問し、認知症サポート医に相談しながら初期の支援を包括的・集中的に行い、自立生活のサポートを行います。)
  4. 事 業
    (1)看護高等専修学校
    (2)臨床検査センター並びに検診センター
    (3)訪問看護ステーション並びにケアプランサービス
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